SQL整形とは?実務で役立つ使い方と注意点
2025-06-09

SQLが読みづらい…そんな悩みを解決するのが「SQL整形」。実務での使い方をわかりやすく解説します。
導入
データベースを扱う現場では、SQL の読みやすさが作業効率や品質に大きく関わってきます。特に JOIN が多かったり、サブクエリが入り組んでいたりすると、整形されていない SQL は読むだけでも一苦労です。レビューや保守作業にも影響します。
そこで役立つのが SQL 整形(SQL フォーマット)です。SQL を自動できれいに整えてくれる便利な技術です。
概要と基本概念
SQL 整形とは、SQL 文を決まったルールに沿って読みやすく整える作業のことです。たとえば次のようなことを行います。
- キーワードを大文字にそろえる
- 句ごとに改行を入れる
- インデントで階層構造をわかりやすくする
- 無駄な空白をなくす
- カンマや括弧の位置を統一する
なぜ SQL 整形が必要なのか
- 可読性が上がる
複雑なクエリでも構造が一目でわかります。 - レビューがスムーズになる
他の人が書いた SQL でも読みやすく、確認しやすくなります。 - バグを早期に発見できる
括弧の閉じ忘れや条件式のミスに気づきやすくなります。 - 自動生成 SQL も整理できる
ORM や BI ツールが出力した SQL もきれいに整えられます。
主な整形ルール
整形項目 | 例 |
---|---|
キーワード大文字化 | select → SELECT |
改行挿入 | FROM や WHERE 句前で改行 |
インデント | サブクエリに対してインデント |
カンマ配置 | カラムリストのカンマ位置統一 |
空白統一 | = の前後にスペースを入れる |
実際の使用例
整形前の SQL
select id,name,email from users where status='active' and created_at >= '2024-01-01' order by created_at desc
整形後の SQL
SELECT
id,
name,
email
FROM
users
WHERE
status = 'active'
AND created_at >= '2024-01-01'
ORDER BY
created_at DESC;
整形するだけで、クエリの構造がとても見やすくなります。
SQL 整形の自動化とフォーマッタの注意点
今は多くのツールが SQL 整形を自動でやってくれますが、いくつか注意も必要です。たとえば:
ツールによっては文法エラーを検出せず、そのまま誤った SQL を整形してしまうことがあります。
SQL 方言(dialect)による違いに対応していないツールだと、うまく整形できないケースもあります。
実務では、自分の使う DB の方言にツールが対応しているか確認しておくと安心です。
整形ルールのカスタマイズ例
多くの整形ツールは細かい設定ができます。たとえば:
- インデント幅(スペース何個分か)
- カンマを行末につけるか先頭に置くか
- 大文字・小文字の統一ルール
こういった設定をチームのコーディング規約に合わせることで、SQL スタイルを統一できます。
整形できる SQL の範囲 整形できるのは SELECT 文だけではありません。たとえば以下も整形できます。
- DDL(CREATE、ALTER など)
- DML(INSERT、UPDATE、DELETE など)
- ログ分析やバッチ処理のスクリプト整理にも活用できます。
よく使われる整形ツール
種別 | ツール名 | 備考 |
---|---|---|
オンライン | SQL Formatter | ブラウザで手軽に整形可能 |
オンライン | Instant SQL Formatter | 対応文法が豊富 |
拡張機能 | VSCode: SQL Formatter | 手元で整形できる |
内蔵 | JetBrains 製品(DataGrip) | 高機能でチーム向け |
CLI | sqlformat (sqlparse) |
CI/CD にも使える |
実務での活用例
レビュー前に整形
SQL レビュー前に整形しておけば、論理の確認に集中できます。
CI/CD に組み込む
自動ビルドの流れの中で整形を実施し、コード品質を安定させます。
sqlformat --reindent --keywords upper myquery.sql
バッチ処理の SQL ログ整形
バッチで出力した SQL ログを整形しておくと、障害調査や性能分析がやりやすくなります。
マルチ DB 対応時の整形
複数の DB 向けに生成された SQL を整形しておくと、仕様差や書式の違いを把握しやすくなります。
よくある質問と注意点
Q1. すべての SQL を整形する必要はありますか?
A. すべてに必須ではありませんが、次のようなケースでは整形をおすすめします:
- チームで共有する SQL
- ドキュメントに添付する SQL
- バグ調査時の複雑な SQL
Q2. 整形で SQL の性能に影響はありますか?
A. ありません。整形は見た目だけの変更なので、実行計画やパフォーマンスには影響しません。
Q3. ツールによって整形結果が違うのはなぜですか?
A. 各ツールが持つ整形ルールが少しずつ違うためです。チームで使うツールやルールはあらかじめ統一しておくのが安心です。
Q4. ORM で生成した SQL も整形すべきですか?
A. ORM でも複雑な SQL になるケースは多いので、整形しておくとデバッグや最適化の際に読みやすくなります。
Q5. 整形によって逆にバグが生じることはありますか?
A. まれにツールの不具合や文法の誤認識で、意図しない整形になることがあります。特に重要な SQL は整形後にざっと確認することをおすすめします。
Q6. 商用の SQL 整形ツールを導入する価値はありますか?
A. 商用ツールは多機能だったり、方言対応やサポートが手厚かったりします。要件に応じて検討してみると良いでしょう。
Q7. 整形ルールはどうやって決めたらよいですか?
A. コードレビューの基準や SQL スタイルガイドをベースに、チーム内で話し合って決めるのが良いです。ルールを決めておくとレビューもスムーズになります。
まとめ
SQL 整形は、実務での効率化や品質向上に役立つ基本的なテクニックです。 日々の開発フローに組み込むことで、レビューもしやすくなり、トラブル対応もスムーズになります。整形ツールやルールは早めに整備して、チーム全体の作業を快適にしていきましょう。
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